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なぜか『フランスの伝統色』 [ウォッチング/トレンド・マーケット]

本屋さんで、たまたま手にした『フランスの伝統色』という本。france_top.jpg
単なる色辞典、配色見本と異なり、フランスの文化や歴史に根ざした色の由来を写真入りで紹介していてその写真が印象的で美しい本です。

自分の場合、製品デザインの色指示をする際に、DICの見本帳「フランスの伝統色」から選ぶケースが多い。自動車メーカーに居たときは、一日中調色コーナーにこもって色を調合して幾つもの色サンプルを自分で作っていたことが多かったのですが、それ以降は、DICやパントンの色見本、塗装であれば、自動車のオートカラーガイドや日本塗料工業会の見本帳など、お客様の業種や加工取引先、素材条件で選んでいます。
dic_f.jpg
思えば、「フランスの伝統色」見本から色を選び始めたのは、オフィス家具の開発をしていた頃から。
グレーのスチールデスクの、そのグレーを選ぶ時に、グレー系の見本の多くは白から黒への濃淡の段階でサンプルがあったり、明らかに赤味があったり、黄味が強かったりと選びにくいサンプルが多いのですが、「フランスの伝統色」の中のグレーはプラスチック部に使用しても、スチール部に使用しても冷たく感じず、安っぽくもならない感じが気に入っていました。
また、某クライアントロゴの文字にも「フランスの伝統色」が使われているため、製品デザインの際はアクセントのカラーはその色を用い、その周囲にくる他の部位も相性の良い「フランスの伝統色」の見本帳から選ぶことにおのずとなりますし、他のクライアントメーカーの製品でも、金属を研磨した部分に色差しをする製品グラフィックスなどにも「フランスの伝統色」から選ぶことが多いのです。
france_sam.jpg
先の本をめくっていてその写真のビジュアルから来る印象で、自分がなんとなくそれらの色を用いて来た理由が判った気がしました。

DICで言えば、基本の色見本セットではどうしてもプラスチッキーな感じや家電量販の大量生産品っぽい感じがしてしまったり、グレー見本では冷たく感じてしまったりします。反対に「日本の伝統色」見本では、自国でのリアルな生活感と、伝統工芸品などに用いる色ゆえに懐かしく時代的に古い色を感じてしまいます。それが「フランスの伝統色」ではそのどちらでもなく、フルーツやワインを印象づける自然や生活からくる色で“良い意味での”生活感を持っているために、金属部位などにその色を使うと、金属の器とフルーツ、ワイングラスとワインとの関係のような上質感を感じます。またグレー系にしても「空のグレー」や「岩のグレー」のように生活からくる色をモチーフとしているため、結して無機質にならない味を持つグレーであるということになります。
それらが、大量生産の工業製品でありながら、少量生産の手の込んだこだわりの品のように、人の手を感じたり、生活に馴染む雰囲気をもっている色につながるのかもしれません。その差は、ほんのちょっとした違いなのかもしれませんが、金属系の冷たい素材へのカラーアクセントには、やはり持ってこいの色たちの見本だったのだとあらためて感じています。

「エコロジー」「自然エネルギー」「LOHAS」「スローライフ」「癒し」「和み」「手作り感」「自分だけのカスタム」など、時代を表すキーワードと、ともすると冷たくなってしまう大量生産の工業製品への橋渡しをする色が、そこにあるのかもしれません。
『フランスの伝統色』著者:城 一夫(じょう かずお) ボルドーワインの赤、フランス菓子マカロンのベージュ、ブルゴーニュの葡萄色、エルメスのオレンジ、モネ「睡蓮」のブルー、ゴッホ「ひまわり」の黄。_本書はフランスの文化が生んだ250色を、色の名前と由来、それにまつわる写真で美しく綴ります。また、フランスならではの配色見本を四季ごとに紹介。すべての色にCMYK値、RGB値をつけています。 http://www.piebooks.com/search/detail.php?ID=1085

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tetsutaro

国によって、カラーへの感性や執着って違いますものね。私の場合、グリーン、ブルー系は「フランスの…」から、レッド系は「日本の…」から選んだりすることが多いかもしれません。「中国の伝統色」も手に入れねば…と思いつつ、まだ未入手です。
by tetsutaro (2009-11-19 13:00) 

teshima

tetsutaroさん、コメントありがとうござます!読んでいただいて大変恐縮します。
そうですね、レッド系の「日本の…」もありです。tetsutaroさんのお仕事だと納得な気もします。自分も工芸品や樹脂系・雑貨系が増えれば、選ぶ色も変わるかもしれませんね。自分のキャラとお客様のキャラでいくと金属の素材感を活かすものが多く、その場合はブログの内容っぽくなりますね。「中国の…」グッと来る色もありますが、加工先に見本が無い場合が多いので、使用を控えてます。(「フランスの…」は持っているところが多いというのもニーズがあるということですね)
by teshima (2009-11-19 13:20) 

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